瞑想の目的は「無心」になること
瞑想を行うことで、先入観や無意識の思考などの想念を取り払い、「無心」の状態へ到達する。ヨガでは、この状態に到達することで、万物を平等に愛することができ、自己実現へと導かれるとされています。
瞑想はヨガにおける最終ステップに位置づけられていることから、もっとも重要なものとされており、アーサナ(ポーズ)も瞑想への導入が目的で行われているものです。

ヨガの根本教典であるヨーガスートラには「心の止滅こそヨガである」と記されています。「心」を止滅させた状態を作り出すことによって、「心」を客観的に観察して、ものごとの正しい姿を見ることができると言われています。そして、心の止滅は、瞑想によって可能となります。
瞑想の実践方法
TM瞑想
TMとはトランセンデンタル・メディテーション(Transcendental Meditation)の略称で、日本語では超越瞑想と訳されます。1950年代にインドのマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーによって世界に広がる。具体的な方法は、イスか床に座り、リラックスした状態で簡単なマントラを心の中で15~20分唱えるだけです。
効果は現代科学によって証明されておりストレス解消や不安感などの心理的効果、新陳代謝や高血圧などの生理的効果が確認されています。総合的に心身の深い休息が得られることができます。
トラタク瞑想
”Tratak(トラタク)”とは「凝視」の意味で、ハタヨガにおける浄化法の一つです。ロウソクの炎を見つめ、心を鎮める瞑想方法。具体的にはリラックスした状態で座り、1~2m離れた場所に目の高さに合わせてロウソクを置く。ロウソクに火をつけて炎に視線を集中させ、自然な呼吸をつきながら心を落ち着かせていきます。しばらくしたら目を閉じて炎を心に映し出す、の繰り返しです。
ヴィパッサナー瞑想
”Vipassana(ヴィパッサナー)”とは「物事をありのままに見る」という意味で、インド最古の瞑想方法の一つです。2500 年以上前にゴーダマ・ブッダが再発見し、人間すべてに共通する病のための普遍的な治療法、すなわち「生きる技」として多くの人に指導されました。また、ヴィパッサナー瞑想は苦悩からの解放とも言われています。
古代インドより継承されてきたこの瞑想法は、ミャンマーで生まれ育った S.N. ゴエンカ氏によって世界80カ国以上に広がりました。
具体的には心に起こることで物事を判断せず、その時の感情を噛み締め、自分を客観的に観ていくこと。常に、今という瞬間に完全に注意を集中することが大切です。1日10分ほど行い続けることで自分自身の心、感情をコントロールすることができるようになります。